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春夏秋冬そして春 |オ・ヨンス

春夏秋冬そして春春夏秋冬そして春
出演:オ・ヨンス /キム・ギドク /キム・ジョンホ /キム・ヨンミン
エスピーオー
発売日 2005-04-29

山間の湖に浮かぶ小さな庵には老僧と幼年の男の子が暮らしていた。その男の子が17歳の少年にになったある日、庵に養生のために少女がやってくる。欲望を抑えきれない少年は、彼女と結ばれるが、老僧に見つかり、彼女は寺から出ていくことに…。
『悪い男』など、作品を発表するたびに世界的に評価が高まるキム・キドク監督が、人間の生を四季の移り変わりとともに見せていく美しい作品。とはいえ、人間の欲望、執着から、罪を浄化していく姿までジックリと描き、生きることの意味を問い掛けてくる。セリフはほとんどないけれど、状況をしっかり伝える演出はさすが。人間界で何が起こっても、決してゆらがない自然の雄大さに目を見張ること必至。(斎藤 香)

すばらしい芸術作品 2005-07-26
この監督の作品ではこれまでに『悪い男』『サマリア』を見ましたが、この映画で監督の持つ独特な世界というか癖のようなものが分かった気がします。舞台はどこかの山奥、山に囲まれた湖の中に小さなお寺が浮かんでいて、老和尚と小さな弟子が一緒に暮らしています。この2人がどういう関係なのか、どういういきさつでここに住んでいるのかは特に説明はありません。春、夏、秋、冬、と画面が変わるごとにこの青年が成長していきます。夏では17歳、病気の療養のために寺に来た少女と恋に落ち寺を後にする。秋には30代、妻を殺して寺に逃げてくる。冬には?十代、全てを悟り、穏やかな表情を持って帰ってくる。こう書くとただの少年の波乱万丈の人生のように聞こえますが、少年時代から描かれる彼の人生の中には逃れようのない運命、そして輪廻転生という深いテーマが関わっていて一つ一つの場面が全て意味を持っています。そして説明のなかった少年と和尚の関係も後になって自然に想像ができる構成になっています。この映画のすごいところはセリフがほとんどないのに、演技と映像で人間の欲望や怒り、悲しみなどをほとんど表現しているところです。ちなみに登場人物も数えるほどしかいません。最後に、これだけはいわなければならないのは究極の映像美についてです。湖の中に浮かぶお寺というありえない設定はその先の数々の美しい場面を作り出すのになければならない設定だったと思います。また、仏教を背景にアートを取り入れるという技法も斬新極まりない。ありえないことをしてそれを正当化させてしまう、キムギドク監督の腕にはただただ感服するばかりです。『サマリア』が好きだった人には是非見てもらいたい作品です。『サマリア』を究極にしたらこんな映画ができるんだろうなという感じです。

たんたんとした日々の情熱・・・ 2005-09-04
山奥湖にそびえる寺を舞台に奏でられる移り変わる四季の風景
そこで暮らす老僧と修行僧の物語。「悪い男」のときの妙な
屈折的な酷の強さがやわらぎ、異色作にはかわりないがどこか
やさしい作品となっている。
少年僧が初めて命の尊さを知った春。青年となった僧のはじめて
の恋を情熱的に描いた夏。人の気持ちのうつろう現実を知り、自虐
的になり絶望の淵に立った秋。心機一転し真の修行に励んだ冬。
そして春が来て・・・
四季と共に動く人の成長と人間の志から生じていく奇跡の術を描いたフアンタジーヒューマンドラマである。

師匠の老僧のラストショットに絶句。 2004-10-31
『湖上に浮かぶ寺・移り変わる四季・・・』という幻想的で美しい風景はため息ものですが、一言でいうと
ル・シネマの支配人さんの評する、『ちょっと邪悪なマルコメ君の成長物語』というのが、ズバリ言いえています(笑)主人公の小僧は、小動物はいじめる、寺に療養に来た少女には手を出す、
さらに青年期には・・・とおよそ人の咎を全て行いつつも、なぜか憎めないのは、
見ているこちらにも、自身に思い当たる姿があるからではないでしょうか。今回は、自身も出演している(『冬』の中年期の役)、キム・ギドク監督。
その圧倒的な暴力シーンと、ヤクザや売春婦といった影の世界を生きる人々を描く作風は、
『韓国の北野武』というのも、これまた言いえている気がします。『魚と寝る女』、『悪い男』と、ショッキングな公開作が続くなか、だんだん夢中になっている人も多いのではないでしょうか。
今後の公開作品として、今年ベルリンとヴェネチア映画祭をそれぞれ制した『サマリア』、『空き家』もかなりクセモノのようですが、
ずっと未公開だった、チャン・ドンゴン主演の『コーストガード』が、ようやく見られそうなのが楽しみです。

「無修正版」の意味 2005-10-09
はじめの2,3分で映画の内容、結末ともに読めてしまいます。
表紙にある「無修正版」の意味が解りません。
般若心経を緑=春 青=夏 朱=秋 白=冬に刑事さんまで加わって塗る場面が良かったです。キム・キドク監督作品の総論になってしまいますが、
最近の韓国映画にありがちな、興行の成功を保証する大スターを起用せず(例外はコースト・ガード)
舞台などで活躍する実力派俳優を選出して、素早く組み立てる技が見事です。

圧倒的ではないがジワジワくる 2005-09-11
登場人物10人程度、その内一人は覆面姿、台詞はほとんどなく、場面もほとんど変わらない。映像と音楽のみで語りかけてくる、まさにキム・キドクの世界。
春夏秋冬の中に数十年の営みが隠されているが、キム監督はこの時間の経過の中で一体何を表現しようとしたのだろうか、私にはよく理解できないが、なんとなく彼の作品はよく見てしまう。
お金をかけた一大スペクタクルご持て囃される映画界にあってほとんどお金をかけているように思われないキム・キドク監督作品はなぜか存在感がある。


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